本記事では、
高市早苗大臣がしきりに「捏造だ」と主張している問題の内容をわかりやすく解説しています。
3月に入ってから国会では高市早苗大臣vs小西洋之参院議員の大激論が繰り広げられていますね。
放送法のある文章をめぐって、高市早苗大臣が「捏造だ」と主張。
さらに「捏造じゃなかったら議員を辞職する」とまで言ってしまったため、
捏造か捏造じゃないかの議論が勃発しているというわけです。
そこで今回は、
- 高市早苗大臣は何に対して「捏造だ」と主張しているのか?
- 本当に捏造なのか?捏造じゃない(事実)なのか?
- 高市早苗大臣が負けて議員辞職する可能性はどれくらいあるのか?
などについて情報をまとめました!
高市早苗は何が「捏造だ」と主張している?
高市早苗大臣は、何に対して「捏造だ」と主張しているのか?
一言でいうと、
放送法をめぐる文章の「一部の内容」が事実と異なっていて、それが捏造されたものだと主張しています。
ここから詳しく解説していきますが、
まず『放送法をめぐる文章』とは何なのかというと、
2014年~2015年の安倍政権下において、当時の磯崎総理補佐官が『放送法の政治的公平』について新たな解釈を示すよう、総務省に働きかける様子が記録された文章。
総務省が『行政文章』だと認めて2023年3月7日に公開したその文章はおよそ80枚。
高市早苗大臣はこの80枚の文章のうち、
一部の内容(4枚)が事実と異なる…つまり捏造されたものだと主張しているわけです。
「内容が不正確であることについて確信をもっております」と。
では、
高井早苗大臣が捏造だと主張している『一部の内容(80枚の内4枚の文章)』とは何なのでしょうか。
【文章】2015年2月13日に大臣レクが行われた
【高市の主張】大臣レクそのものがなかった(レクを受けていない)
【文章】安倍総理と電話で会談を行った
【高市の主張】電話は一切していない
大臣レクを受けていないのに、受けたと書かれていること。
安倍元総理と放送法をめぐる電話会談をしていないのに、電話会談をしたと書かれていること。
この2点が「捏造だ」と訴えている内容ですね。
大臣レクとは何?
高市早苗大臣が「受けていない」と主張している、『大臣レク』とは何なのでしょうか。
- 国会で何を質問するか
- 質問されたときになんて答弁をするか
を大臣にレクチャーすることです。
国会では大臣が答弁をする場面が多いが、そのときに「答えられない」ということがないように、担当局長などからあらかじめレクチャーを受け、答弁の準備をします。
大臣のレクでは、大臣に質問すべき事項と説明すべき事項を説明します。 国会での質疑応答については、答弁書をそのまま大臣にお渡しすることはできませんので、質疑の経緯や内容、答弁内容、補足事項について丁寧にご説明させていただきます。 事務スタッフが、突然聞かれる可能性のある事項を知っていれば、その内容についても説明します。 大臣講演会では、大臣から簡単な説明をして理解を得る場合と、大臣から質問や意見、指示を出す場合があります。
引用:IOIO
高市早苗大臣は2015年5月の国会において、
『放送法の政治的公平』に関する質問に対して答弁を行っていますが、
これはあらかじめ官僚からの説明(大臣レク)を受けて答弁したものではないと主張しているわけです。
『放送法の政治的公平』に関する大臣レクとは?
もっと具体的に、高市早苗大臣は“どのような”大臣レクを受けていないと主張しているのでしょうか。
高市早苗大臣は2015年5月の国会で、自民党議員から「放送法の政治的公平について」の質問を受け、
「1つの番組のみでも、極端な場合においては、一般論としては政治的に公平であることを確保しているとは認められないものと考えます。」
と答弁をしました。
これは、それまでの政府の見解にはなかったもので、磯崎元総理補佐官が総務省に働きかけた方向性に沿ったもの(つまり新しい解釈)です。
この国会の当日、磯崎元総理補佐官はTwitterでその答弁に触れ、『放送法の政治的公平』について同じ内容の考えを発信しました。
つまり、高市早苗大臣は磯崎元総理補佐官から大臣レクを受け、その内容を答弁でしゃべった
と考えるのが自然で、
「大臣レクを受けていない」という主張は不自然だというわけです。
結局、総務省は文章を捏造した?してない?
ここまで順序立てて高市早苗大臣の「捏造している」という主張を説明してきたが、
結局総務省は文章を捏造していたのか?捏造していなかったのか?という結論について、
総務省の担当は「捏造していたとは考えにくい」と否定の見解を述べました。
まぁ、「はい、捏造していました」なんて馬鹿正直に答えるはずはないが、
味方同士であるはずの高市早苗大臣と総務省で真逆の答弁をしているという状況になってしまいました。
総務省の答えは「捏造していない。ただ…」
ただ、総務省の「捏造していたとは考えにくい」の後には続きがあり、
「ただ、文章の正確性というのは別のものでございます」
という答弁をしました。
つまり、意図的に事実と異なることを書いた(捏造した)わけではないが、
書き手の能力的な問題で100%事実が書かれているとは言いきれないというわけだ。
『行政文章』にしては不自然な点が多い
たしかに、この放送法をめぐる文章の“正確性”について、無視できない点がある。
タカオカ氏によると、
「捏造」とまでは断言できないが不自然な点が多々あると解説しています。↓↓
このように行政文章にして質が低いことから、“正確性”という部分が疑わしくなってきました。
ただ、正確性がどうであれ、事実と異なることが行政文章に記載されていて、それを公式のものとして公開したのであれば、それはそれで問題な気がしなくもない。
高市早苗は強気の姿勢を崩さず
高市早苗大臣は、主張している4枚の文章について「捏造じゃなければ辞任する」と明確に述べました。
「捏造だった」という結論に至れば、高市早苗大臣はセーフとなりますが、
「捏造じゃなかった」という結論に至れば、高市早苗大臣は議員を辞職する可能性が高い。
ただ、
仮に「捏造じゃなかった」としても「書き手の能力の問題で文章が正確じゃなかっただけだよね」ということであれば、高市早苗大臣は辞職を免れるかもしれない。
「大臣レクをしていない」証拠資料提出か
かれこれ10日以上もバトルが続いていますが、高市早苗大臣は強気の姿勢を崩しません。
「放送法の政治的公平についての“大臣レク”はしていない」
という主張に関して、磯崎元総理補佐官とのメールのやり取りを証拠として提出しようと考えています。
メールには“大臣レク”を行った旨のやり取りは一切ないから、
それを提出すれば“大臣レク”をしていないことの証拠になるということです。