本記事では、五ノ井里奈さんが自衛隊時代に受けたセクハラについて訴えている件について、具体的に何をされたのかをまとめています。
元陸上自衛隊の五ノ井里奈さん(23)。
高校を卒業後に福島県の郡山駐屯地に配属となった彼女ですが、職場での過激なセクハラにより心身の不調をきたし、2022年6月に退職。
退職はSNSとYouTubeで性被害について告発し、謝罪の要求や再発防止について呼びかけ続けていました。
最初に五ノ井里奈さんが話題になってから1年が経ち、彼女が具体的に何をされたのかについて曖昧になってきた人も多いと思われますので、
今回は五ノ井里奈さんが自衛隊時代に何をされたのかについて情報をまとめました!
五ノ井里奈は具体的に何をされた?
五ノ井里奈さんは1999年9月生まれの23歳。宮城県東松島市出身で、石巻市育ち。
2020年に陸上自衛隊として福島県の郡山駐屯地に配属されました。
自衛隊を志した原点は2011年の東日本大震災だ。当時小学4年生だった五ノ井里奈さんと家族は助かったものの、自宅は完全に水に浸かり、飼い犬2匹が亡くなってしまいました。
東日本大震災をうけた宮城県石巻市
公民館での避難生活は非常につらいものだったが、女性の自衛隊員たちが懸命に支援してくれたことや、遊び相手になってくれたことが強く心に残っていた。
5歳からやってきた柔道は高校時代全国ベスト16に入るほどの強さでした。
自衛隊になれば柔道が続けられるというのも、自衛隊へ入った理由の一つです。
そして柔道が強いと聞いてた福島県の郡山駐屯地での勤務を希望し、配属されました。
ところがそこで待ち受けいてたのは、男性の上官による過激なセクハラ(性加害)でした。
2022年6月に『街録ch』で性被害を告発
自衛隊時代の五ノ井里奈
五ノ井里奈さんが受けたセクハラの内容は、2022年6月の街録chで語っています。
自衛隊を辞めたのも同年同月であり、戦う決意をもって辞めたことがうかがえます。
五ノ井里奈さんは具体的に何されたのか。街録chで語っていた性加害の内容を箇条書きでまとめました。
- 山の訓練の夜に、酔った男性上官に胸を触られたり、ほっぺにキスをされたり、抱きつかれたりした
- それを見ていた先輩が上に報告し問題にはなったが、「誰がチクったんだ?」ということで五ノ井さんが標的となり居づらい雰囲気になってしまった
- 廊下ですれ違ったときに抱きつかれたりとか、「柔道やってんだろ?勝負しようぜ」といきなり技をかけてきたり、背面から五ノ井さんに抱きつき持ち上げ腰を振るなどの
- 同部屋の女の先輩とは仲が良く、お互いその日あったセクハラについて報告し合っていたが、いつも「我慢するしかないね」で終わっていた
- 北海道へ1カ月間の遠征訓練の初日に3人の上官に4回にわたって「格闘技の技をキメられ、股を広げさせて腰を振る」というセクハラをされた
五ノ井さんが決定的に「もう無理だ」と感じたのは、2021年8月の北海道での訓練でした。
1カ月間にわたる訓練だったが、初日の夜に男性上官3名によるセクハラを受け、それを何十人もの人間が見ていた上に、上司も笑っていたという。
女性の先輩に相談し、帰らせてもらうよう中隊長を説得するはずだったが、女性の先輩は中隊長の目の前で手のひらを返して五ノ井さんを訓練に留めるよう言ってきた。
その後心身の不調をきたし休職し、自衛隊内部の警察のような機関である一課や警務隊に被害届を出して捜査をしてもらったが、誰一人北海道でのセクハラを証言してくれる人はいませんでした。
セクハラした犯人や、中隊長などの役職ある人は隠蔽しようと裏で手を回し、
目撃してた自衛隊員たちはチクることでいじめやパワハラの標的になることを恐れ口をつぐむ。
組織の隠蔽体質に「許せない」という気持ちが増してきて、最後まで戦う決意をしました。
犯人の自衛隊員はこの3名
五ノ井里奈さんにセクハラをした3名の“犯人”の名前は公に出ています。
- 渋谷修太郎被告(30)
- 関根亮斗被告(29)
- 木目沢佑輔被告(29)
この3名です。
犯人の自衛隊員が性加害を認め、謝罪
五ノ井里奈さんに性加害を加えた犯人たちは、自分たちがやったことを認めて2022年10月に謝罪しています。
五ノ井里奈に謝罪する防衛省幹部(犯人ではない)
そのときの記事では、加害者は4名と書かれていたが実名は公開されていませんでした。
五ノ井さんは、
「私の傷は一生の傷。罪を償いながら生きてほしい」
「謝罪を受けた時は涙が流れました。遅いなって思いつつも、やっとこの日が来たんだと思いました」
引用:朝日新聞
こう心境を話していました。
謝罪は防衛相の仲介により非公開の場で行われ、涙を流したり土下座して謝罪した加害者もいました。
これで全てが報われたわけではありませんが、五ノ井さんにとってあまりにもハードルが高かった「加害者に謝罪させること」が達成できた。
五ノ井里奈と犯人の裁判が泥沼化?
ところが2023年8月現在も裁判が続いています。
謝罪を受けることは叶ったが、それで許したり和解することはなく、きっちりと処分を受けてもらうこと。これも五ノ井里奈さんが望んでいることの一つです。
7月31日に福島地方裁判所で開かれた裁判では、同じ部屋だった男性の元上司の証人喚問中に五ノ井さんが倒れて救急車で運ばれるというアクシデントがありました。
元上司の男性は、
「渋谷被告と関根被告が五ノ井さんに格闘技の技をかけているのを目撃したが、下半身は触れていなかった。木目沢被告については記憶がない」
「渋谷被告には『やりすぎ』だと注意をしたものの、自分も周りと一緒に笑い止めることができなかった」
引用:NHK
このように証言しており、この証言の最中に五ノ井さんは倒れたという。
五ノ井さんとしては、この元上司が事実と異なる証言をしており「この期に及んでまだ隠蔽を図ろうとしているのか」とショックを受けたのかもしれませんね。
なお、6月の初公判では3人の犯人(被告)は起訴内容を否認しており、無罪を主張していました。
昨年10月には涙を流したり土下座をして謝罪していたはずなのに、一転して無罪を主張しているとはどういうことなのか。
五ノ井さんにとって「犯人に処罰を受けさせる」というのは、謝罪させることの何倍も難しいことなのかもしれませんね。
また新しい情報がありましたら更新します!